【書評】「クラウドエンジニアの教科書」クラウドに興味があるエンジニアの方におすすめの一冊
こんにちは、つくぼし(tsukuboshi0755)です!
「インフラエンジニアの教科書」シリーズの最新作である「クラウドエンジニアの教科書」が最近発売されたので、読んだ感想を書評としてまとめました!
書籍情報
著者
- 佐野 裕さん
富士通株式会社でSE職を経て、LINE株式会社に創業メンバーとして2000年から20年間、主にインフラエンジニアやプロジェクトマネージャーとして従事。2020年から株式会社ハートビーツに勤務。現在技術開発室、人材開発室、および経営戦略室の室長を兼任。インフラエンジニアの教科書シリーズの著者。
- 伊藤俊一さん
2011年より株式会社ハートビーツで学生アルバイトとしてjoin。2015年に正式に入社。障害対応チーム、構築担当チームを経て2021年現在は技術開発室に所属。社内インフラ基盤の運用/設計から、社内サービスのシステム開発まで幅広く担当している。
- 小嶋 宏幸さん
2021年より株式会社ハートビーツに勤務。技術開発室にてMSP 事業を支える社内システムの開発・運用や各種自動化に取り組んでいる。
- Namihiraさん
2020年に株式会社ハートビーツに入社し、技術開発室にて社内向けアプリケーションなどの開発に従事後、退職。現職では、サービスやデータ基盤の構築~運用を行っており、主にHCLとYAMLを読み書きしている。
目次
- CHAPTER 01 クラウドの概要
- CHAPTER 02 クラウドエンジニアの定義
- CHAPTER 03 クラウドの世界観
- CHAPTER 04 クラウドのユーザー管理と権限設定
- CHAPTER 05 クラウドの認定資格
- CHAPTER 06 クラウドを試してみる
- CHAPTER 07 クラウドを使ったシステムの費用
- CHAPTER 08 クラウド上でWindowsを扱う
- CHAPTER 09 Infrastructure as Code
- CHAPTER 10 クラウド上でコンテナを扱う
- CHAPTER 11 マルチクラウド構成
- CHAPTER 12 IaaSやPaaSの監視
各章の概要
CHAPTER 01 クラウドの概要
クラウドの概要として、IaaS/PaaS/SaaSの特徴、費用、ベンダー/ユーザの責任範囲、勢力図、ベンダー(AWS/Azure/GCP)の選び方といった基本的な事項が説明されています。
またオンプレミスとクラウドの違いや、オンプレミス/クラウド共通で使用するインフラの概念についても解説されています。
CHAPTER 02 クラウドエンジニアの定義
クラウドエンジニアに必要な技術スキルと、キャリアの方向性について説明されています。
またクラウド初心者に対する学び方についても解説されています。
CHAPTER 03 クラウドの世界観
クラウド独自て使われる以下の単語について、説明されています。
- リージョン/仮想ネットワーク/(アベイラビリティ)ゾーン/サブネット
- オブジェクトストレージ/ブロックストレージ/ファイルストレージ/アーカイブストレージ
- クラウド管理Webコンソール(AWS/Azure/GCP)
- ハイブリッドクラウド/マルチクラウド
この辺りの単語を押さえておけば、クラウドに関する話が出てきても一通り理解できそうです。
CHAPTER 04 クラウドのユーザー管理と権限設定
クラウドにおいて一番重要と言っても過言ではない、ユーザー管理と権限設定について解説されています。
AzureとGCPにはスイッチロール機能が存在しない等、この辺は各ベンダー(AWS/Azure/GCP)によって機能が微妙に異なるので、使用するクラウドベンダーのユーザー管理ついては一通り押さえておくと良さそうです。
CHAPTER 05 クラウドの認定資格
クラウドの認定資格について、各ベンダー(AWS/Azure/GCP)毎に説明されています。
クラウドの資格に興味がある方は、一読する価値はあると思います。
CHAPTER 06 クラウドを試してみる
各ベンダー(AWS/Azure/GCP)のコンソールにおけるサーバーインスタンスの作成/接続方法について、ハンズオン形式でそれぞれ説明されています。
クラウド初心者の方は、本章のハンズオンを一通り試しておくと、クラウドの使用感を知る事ができて良さそうです。
CHAPTER 07 クラウドを使ったシステムの費用
クラウドの費用見積もりの方法について、実例とともに紹介されています。
またIaaSとPaaSの使い分けについても説明されています。
CHAPTER 08 クラウド上でWindowsを扱う
クラウドでWindowsを使う場合の注意点について、RDP接続やOS日本語化、Windows関連サービス、Active Directoryの扱いの観点で説明されています。
特にオンプレミスのWindowsを使っている方は、クラウドのWindowsとの操作感を比較するために一読すると良いと思います。
CHAPTER 09 Infrastructure as Code
クラウドと密接に関係するInfrastructure as Codeについて説明されています。
本書では、AWS CloudFormation/AWS CDK/Terraformについて、ハンズオン付きで解説されています。
CHAPTER 10 クラウド上でコンテナを扱う
クラウドで良く扱われるコンテナ仮想化について、特徴やコンテナサービス、メリットについて解説されています。
簡単なハンズオンも用意されているので、コンテナについて知らない方は試してみる事をオススメします。
CHAPTER 11 マルチクラウド構成
マルチクラウド構成に関する注意点や検討ポイント、事例について説明されています。
マルチクラウドを検討している方は、一読してみると良さそうです。
CHAPTER 12 IaaSやPaaSの監視
クラウドにおける監視について、監視サービスや設定のポイント、実例について説明されています。
また監視の注意点や障害検知した際の対応フローについても記載されているため、既にクラウドを運用されている方にもオススメできます。
感想
インフラエンジニアの目線でクラウドが解説されている
本書はオンプレミスでも扱われるインフラ用語を基に、一からクラウドが解説されている印象を受けました。
そのため既にオンプレミスを触っているエンジニアで、クラウドに興味を持っている方にとっては理解しやすい箇所が多く、特にオススメします!
なお説明の前提となる用語は全て本書の中で記載されているので、オンプレミスを触った事がない方でも問題なく読めるのが良いですね。
クラウド独自の考え方について広く触れられている
クラウド独自の考え方であるInfrastructure as Codeやコンテナについて触れられているので、この辺りの用語を知らないエンジニアの方にはぜひオススメしたいです!
本書にはハンズオンがついているので、クラウド上でInfrastructure as Codeやコンテナを試してみる事もできます。
Infrastructure as Codeやコンテナについてあまり知らない方は、本書でぜひ試してみてください!
最後に
「クラウドエンジニアの教科書」は、インフラの基本的な概念を押さえつつ、クラウド独自の用語についても丁寧に解説されている良書だと感じました。
気になった方はぜひ読んでみてください!
なお本書の姉妹本として位置付けられている「インフラエンジニアの教科書」「インフラエンジニアの教科書2」は、オンプレミス/クラウド共通で使用される基本的なインフラの知識が数多く紹介されているので、併せて読むとより理解が深まると思います。
以上、つくぼしでした!